法人営業に役立つフレームワーク15選【利用シーン・目的別に紹介】

法人営業における成功の鍵は、適切な戦略の策定とその実行です。この過程で多くのプロフェッショナルが頼りにしているのが「フレームワーク」。

フレームワークを効果的に利用することで、よりシステマティックかつ効率的に営業活動を進めることができます。

本記事では、法人営業で実際に活用できるフレームワークを15種類、利用シーンや目的別に紹介します。

初心者からベテランまで、営業の質を次のレベルに引き上げたい方は、ぜひ参考にしてください。

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目次

法人営業におけるフレームワーク

法人営業におけるフレームワーク

法人営業において、組織や個人のパフォーマンスを最大限に引き出すための骨組みや方針を提供するのが「フレームワーク」です。

効率的な営業活動や戦略策定を行う際に、一貫性をもたせたり、ミスを減少させたりする役割を果たします。

また、複雑なビジネス環境の中で、方向性を見失わないようにするための指針としても活用される場合も。

このセクションでは、法人営業に特化したフレームワークの重要性やその具体的な使用方法について詳しく解説します。

そもそもフレームワークとは?

フレームワークとは、文字通り「骨組み」や「枠組み」を意味します。業務や課題解決において、方向性を持たせるための基本的な考え方や構造を示すものです。

特定の状況や課題に対して、有効なアプローチや手法を整理・体系化したものと言えます。フレームワークを活用することで、適切な判断を下す材料を得られたり、効率的なプロセスの策定が可能になるのです。

特に、情報が多い現代のビジネスシーンでは、その指針となる存在として非常に重要となります。

営業戦略・営業戦術に役立つ

営業において、フレームワークを活用することで、戦略の策定や日々の戦術の決定がスムーズになります。営業戦略とは、目標達成のための大まかな方針や計画のことを指し、戦術はその具体的な手段やアクションのことです。

フレームワークを用いることで、市場の状況や顧客のニーズを的確に捉え、それに基づいた効果的なアプローチを練ることができます。

また、チーム内でのコミュニケーションも円滑になり、共通の理解を持って活動することが可能になります。一貫性のある営業活動は、成果を上げるための鍵となるでしょう。

法人営業に役立つフレームワーク15選【目的別に紹介】

法人営業に役立つフレームワーク15選【目的別に紹介】

法人営業には多くのフレームワークが存在し、それぞれが異なる目的やシーンでの活用が考えられます。

このセクションでは、実際の営業現場での成功に寄与する15のフレームワークを、具体的な使用目的別に紹介いたします。

これらのフレームワークを適切に活用することで、市場の分析から商品の価値訴求、情報の整理まで、幅広い段階での営業活動を効果的に進めることができます。適切なツールを用いて、より成果の出る営業を目指しましょう。

営業プロセス・リード評価

営業活動において、効果的なプロセスの確立と、リードの質の評価は欠かせません。営業プロセスを整理し、リードを適切に評価することで、無駄な時間を削減し、成約率の向上を図ることができます。

特に法人営業では、取引先のニーズや状況を深く理解する必要があります。

このセクションでは、営業プロセスの最適化やリードの質をしっかりと評価するためのフレームワークをいくつか紹介いたします。これらを活用し、効率的な営業戦略の構築を目指しましょう。

BANT

BANTは営業のリード評価に用いられるフレームワークで、

  • Budget(予算)
  • Authority(決定権)
  • Need(ニーズ)
  • Timeline(導入時期)

上記の頭文字を省略したものです。

例を挙げましょう。

あるIT企業が法人向けの新しいクラウドサービスを提供する際、目標とする顧客企業の担当者との初めてのミーティングでBANTを活用します。

まず、担当者が導入の予算を持っているかを確認(“Budget”)。

次に、その担当者が導入の決定権を持っているか、または影響力を持っているかを調査(“Authority”)。

そして、顧客企業が実際にそのサービスを必要としているか(“Need”)。

最後に、導入を考えているタイミングや期間を尋ね(“Timeline”)。

これにより、営業側はどれだけそのリードが質が高いか、また成約に至る可能性があるかを判断できます。BANTの活用により、効果的な営業アプローチやリソースの最適な配分を図ることができるでしょう。

SPIN

SPINは、営業の質問技法として知られるフレームワークで、

  • Situation(状況)
  • Problem(問題)
  • Implication(影響)
  • Need-payoff(ニーズの実現)

上記の頭文字を省略したものです。

例として、あるOA機器メーカーの営業が法人客に新しい高速プリンターを提案する場面を想像してみましょう。

まず「Situation」のフェーズで、顧客の現在のプリンターの使用頻度や満足度を質問します。
「毎日どれくらいのページ数を印刷されますか?」といった基本的な状況を探る質問です。

次に「Problem」では、現在のプリンターに感じる課題を問い探ります。
「印刷速度に不満はありませんか?」と質問し、顧客の問題点を明らかにします。

「Implication」ではその問題がもたらす具体的な影響を深掘り。
「遅い印刷速度が業務にどんな影響を及ぼしていますか?」と質問することで、問題の深刻さを確認します。

最後に「Need-payoff」で、提案する製品が問題を解決する具体的なメリットを引き出させます。
「もし印刷速度が2倍になったら、どれくらい時間の節約になりますか?」といった形で、顧客自身に解決策の価値を認識させるアプローチをとります。

SPINを使うことで、顧客のニーズを的確に捉え、効果的な提案を行うことができます。

MEDDIC

MEDDICは、法人営業の複雑なプロセスを整理・評価するためのフレームワークとして用いられ、

  • Metrics(メトリクス)
  • Economic Buyer(経済的意思決定者)
  • Decision Criteria(意思決定の基準)
  • Decision Process(意思決定のプロセス)
  • Identify Pain(痛みの特定)
  • Champion(内部の支持者)

上記の頭文字を取ったものです。

例として、あるITソリューションの提案を考えてみましょう。

「Metrics」では、提案するソリューションがもたらす具体的な数値上の効果を確認。
「導入後、どれくらいの時間短縮やコスト削減が見込まれますか?」というようなメトリクスを明確にします。

「Economic Buyer」では、最終的な購入の意思決定を行う人物を特定。
「部門のマネージャーは誰ですか?」と確認して、その人物との関係を築きます。

「Decision Criteria」では、お客様が製品・サービス選定時に重視する基準を理解。
「どんな機能やサポートが必要ですか?」と質問し、それに基づいて提案内容を調整します。

「Identify Pain」で、顧客のビジネス上の課題や痛みを具体的に特定。
「現状での業務のボトルネックは何ですか?」と問い、解決策を提示します。

「Champion」では、組織内での製品・サービスの導入を積極的に支持してくれる人物を探し、その人と連携を深めます。

MEDDICを駆使することで、顧客のニーズを的確に捉え、成功率の高い提案が実現可能となります。

市場分析・ポジショニング

市場分析とは、事業の成功のための市場の動向や顧客のニーズを明らかにするものです。

また、ポジショニングとは、自社の商品やサービスを市場や顧客の中でどのように位置づけるかを決める戦略的アプローチであり、明確なターゲットを持ち、適切な価値提案を行うことが可能になります。

市場分析とポジショニングを適切に行うことで、競争優位性を築く道筋が見えてきます。

では、これらに役立つフレームワークを紹介していきます。

3C分析

3C分析は、ビジネスの環境を理解するための重要なフレームワークで、「顧客(Customer)」「競合者(Competitor)」「自社(Company)」の3つの要素に焦点を当てて評価・分析します。

具体的な例として、新しいコーヒーショップを開業する場面を考えてみましょう。

顧客(Customer)の分析】

地域の住民や働く人たちのニーズや好み、コーヒーに求める価値や希望する価格帯などを調査します。
例えば、地域には若い世代が多いと分かれば、彼らが求めるのはオーガニックコーヒーやフリーWi-Fi付きの落ち着いた空間であるという情報が得られるでしょう。

競合者(Competitor)の分析

近隣のコーヒーショップやカフェの特徴、メニュー、価格、営業時間、強みや弱みなどを調査します。
もし、競合店にはフリーWi-Fiが提供されていないことが分かったら、それは新しいショップの差別化要因として考えられます。

自社(Company)の分析

自社の持っている資源、技術、人材、資金、ブランド力などを分析します。
もし、自社にはオーガニックコーヒー豆の取り扱い経験やWi-Fi設置のノウハウがあれば、それを活かしてサービスを展開することができるでしょう。

この3C分析によって、市場のニーズと自社の強みをマッチさせた戦略を立てることができ、成功の確率を高めることができます。

SWOT分析

SWOT分析は、企業や商品の強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、そして脅威(Threat)を評価する手法です。
この分析を用いることで、ビジネスの現状を客観的に把握し、戦略を策定する際の参考とします。

具体例として、新しいカフェの開店を考える場面を想像してみましょう。

強み(Strength)…店内の落ち着いた雰囲気やオリジナルのメニュー。

弱み(Weakness)…立地が駅から少し離れていることや知名度の低さ。

機会(Opportunity)…近隣に同じようなカフェが少ないため、ニッチな市場を狙える。

脅威(Threat)…大手カフェチェーンの出店やレンタル料の上昇など。

このように、SWOT分析を活用することで、事業のリスクやポテンシャルを明確にし、効果的な戦略を立てるための土台を築くことができるでしょう。

PEST分析

PEST分析は、ビジネスの外部環境を理解するためのフレームワークです。
以下の4つの要素でマクロ環境を評価します。

政治的(Political)
国や地域の政治状況や政策による影響を指します。
例:ある国が再生可能エネルギーの推進政策を強化すると、太陽光発電関連のビジネスチャンスが増える。

経済的(Economic)
経済成長率や通貨の価値、失業率などの経済的要因に注目します。
例:経済の低迷期には、低価格帯の商品やサービスの需要が増えることが考えられる。

社会的(Social)
人口動態、文化、ライフスタイルの変化など、社会のトレンドを分析します。
例:健康志向が高まる中、オーガニック食品やフィットネス関連の市場が拡大している。

技術的(Technological)
新技術の登場や技術の進化によるビジネスへの影響を評価します。
例:スマートフォンの普及に伴い、モバイルアプリやオンラインサービスの需要が急増している。


これらを総合的に評価することで、事業戦略の方向性を見極める手助けとなります。

STP分析

STP分析は、市場戦略を策定する際のフレームワークで、以下の3つのステップから構成されています。

セグメンテーション(Segmentation) :市場を類似の特性を持つグループに分ける作業を指します。

例:スポーツドリンク市場を「トップアスリート向け」「日常の健康維持を目指す一般消費者向け」などのセグメントに分ける。

ターゲティング(Targeting) :セグメントの中から、特に重点を置く対象を選ぶステップです。

例:「日常の健康維持を目指す一般消費者向け」のセグメントに注力することを決定。

ポジショニング(Positioning) :選定したターゲットに対して、どのような価値提供をするかを決め、ブランドや商品の位置付けを行う工程です。

例:健康維持を目指す一般消費者に対して、「天然成分100%」や「糖質ゼロ」などの健康志向のポジションを確立する。

STP分析を適切に実施することで、効果的な市場戦略の策定が可能となります。

商品・サービスの価値分析

商品やサービスが持つ価値を深く掘り下げ、顧客が何を求めているのかを明確にするのが「商品・サービスの価値分析」です。

この分析を通じて、ビジネスが真に提供すべきポイントや改善点を発見することが可能になるのです。

具体的には、

  • FABE分析…商品の特長や利点を浮き彫りにする
  • 4P分析…マーケティングミックスの視点から価値を考える
  • バリューチェーン分析…付加価値の源泉を追求する

これらの手法を組み合わせることで、商品やサービスの真の価値を明らかにし、市場での競争力を高める手がかりを得ることができるでしょう。

では、それぞれのフレームワークについての詳細を解説していきます。

FABE分析

FABE分析は、商品やサービスの「特長(Feature)」、「利点(Advantage)」、「利益(Benefit)」、「証拠(Evidence)」の4つの要素を詳細に検討する手法です。

例として、高速充電機能を持つスマートフォンを考えます。

  1. 特長(Feature):「1時間で80%まで充電可能」。
  2. 利点(Advantage):他の機種よりも速く、待ち時間を短縮できる。
  3. 利益(Benefit):外出先での短時間の充電でも、一日使い続けられる安心感。
  4. 証拠(Evidence):独自技術の高効率バッテリーと充電器を採用しているため。

この分析を通じて、単なる特長を伝えるだけでなく、その背後にある顧客への具体的な利益やその証拠まで伝えることができます。

これにより、消費者の信頼と購買意欲の向上を図ることが可能となるでしょう。

4P分析

4P分析とは、マーケティングミックスの四つの要素「商品(Product)」「価格(Price)」「場所(Place)」「プロモーション(Promotion)」を総合的に検討する手法です。この分析を使って、市場での競争力を強化し、顧客ニーズに合わせた戦略を立てることができます。

例として、オーガニックジュースのブランドを考えましょう。

  1. 商品(Product):100%オーガニック果物を使用したジュース。
  2. 価格(Price):一般的なジュースよりやや高価ですが、その価値を理解する顧客に向けた価格設定。
  3. 場所(Place):健康食品店やオーガニック専門のオンラインショップでの取り扱い。
  4. プロモーション(Promotion):健康志向の顧客をターゲットに、SNSや健康情報サイトでの広告キャンペーン。

この分析により、ブランドの強みや弱みを明確にし、市場でのポジションを確立するための具体的な戦略を構築することができます。

バリューチェーン分析

バリューチェーン分析とは、企業の活動を一連のプロセスに分解し、それぞれのプロセスがどれだけの価値を顧客に提供しているかを評価する手法です。
この分析を通じて、コスト削減や差別化の機会を発見できます。

具体例として、あるコーヒーショップを考えましょう。

  1. 原材料の調達:エチオピア産の高品質なコーヒー豆を直輸入。
  2. 製造:豆を店内で焙煎し、新鮮な状態で提供。
  3. 販売:店内での提供や、豆の販売も行い、顧客に様々な選択肢を。
  4. マーケティング:SNSを活用し、日々の営業情報や新商品を発信。
  5. サービス:無料のWi-Fiや電源提供で、長時間の滞在をサポート。

このように、バリューチェーン分析を使ってコーヒーショップの各段階での価値提供を明確にし、競争力を強化するポイントを探ることができます。

競争戦略の策定

競争戦略の策定は、企業が市場でのリーダーシップを築くための方針や取り組みを明確にする活動です。これにより、競合との差別化や独自性を強化し、顧客からの選好を得ることを目指します。

市場のニーズに合わせて、低コスト戦略や差別化戦略、集中戦略などの具体的な方向性を選択します。成功の鍵は、自社の強みやリソースを最大限に活用し、変動する環境に柔軟に対応することです。

ここからは、具体的な競争戦略を策定するためのフレームワークについて詳しく解説していきます。

VRIO

VRIOは、企業の内部リソースを評価し、持続的な競争優位を達成するためのフレームワークです。

具体的には、

  • Value(価値)」
  • Rarity(希少性)」
  • Imitability(模倣のしやすさ)」
  • Organization(組織の対応)」

上記4つの要素を分析します。

例えば、ある企業が独自の技術を持っている場合、それは「価値」があります。
しかし、競合企業も同様の技術を持っていれば「希少性」は低いです。
その技術が他者に容易に模倣されなければ「模倣のしやすさ」は低く、
企業がその技術を活用する組織体制や文化を持っていれば「組織の対応」も良好です。

これらの要素が全てポジティブならば、その企業は持続的な競争優位を有していると言えます。

VRIO分析を用いることで、企業は自らの強みや弱みを明確に理解し、適切な戦略を策定する助けとなるでしょう。

ファイブフォース分析

ファイブフォース分析は、企業がどのような競争環境に置かれているのかを詳しく知るためのフレームワークです。

この分析では、「業界の競合者間の競争」、「新規参入の脅威」、「代替品の脅威」、「バイヤー(購入者)の交渉力」、「サプライヤー(供給者)の交渉力」の5つの要因を評価します。

業界の競合者間の競争
スマートフォン市場では、アップルの「iPhone」とサムスンの「Galaxy」が代表的です。
これらの大手ブランド間での価格戦争や機能競争は、市場全体の動向を左右します。


新規参入の脅威
スマートフォン市場は高い技術力と大きな資本が必要ですが、新技術の登場や差別化ができる場合、新規の企業も参入しやすくなります。
例えば、中国のOPPOやVIVOは、独自の技術やマーケティングで急速に市場シェアを拡大しています。


代替品の脅威
スマートフォンの主な機能は通信と情報収集ですが、これらの機能を提供する代替品として、タブレットやスマートウォッチが考えられます。
特に若い世代は、スマートウォッチを活用してSNSやメッセージのやり取りを行っています。


バイヤー(購入者)の交渉力
大手キャリアや家電量販店など、大量購入するバイヤーが価格交渉を行うことで、製造企業の収益に影響を与える可能性があります。


サプライヤー(供給者)の交渉力
スマートフォンの部品供給は、特定のサプライヤーが多いです。
例えば、高性能なカメラセンサーを供給する企業が限られている場合、そのサプライヤーの交渉力が高まります。


この分析を通じて、企業は自らの強みや弱みを把握し、競争戦略を適切に策定する手助けを受けることができます。

情報の整理

事業やプロジェクトの推進において、情報の整理は不可欠なステップです。データの山から本質的な情報を引き出し、効果的にまとめることで、明確な意思決定や戦略策定の土台となります。

特に、複雑な情報や多岐にわたるデータを整理する際、可視化の手法が求められます。

では、ここからは情報の整理に役立つフレームワークを見ていきましょう。

ロジックツリー

ロジックツリーは、複雑な問題や目標を明確なサブセットに分解し、理論的なフレームワークで整理するツールです。

考え方の透明性と論理的構造をもたらすため、プロジェクト計画や意思決定の際に非常に有効です。

具体例として、企業が直面する「売上の低迷」の問題を分析してみましょう。

問題: 売上の低迷

これをさらに詳細に分解すると、

  1. 価格競争力の低下
    • 他の競合よりも高い価格
    • コスト構造の問題(生産コスト、人件費など)
  2. マーケティングと宣伝の不足
    • 宣伝予算の制約
    • 宣伝戦略のミスマッチ
  3. 製品の品質とイメージの低下
    • 製品の不具合やクレームの増加
    • 業界内での悪い評判や口コミ

上記のようになります。

これを分かりやすくビジュアル化すると下記の画像のようになります。

この方法で、目的を達成するためのステップが明確になり、効果的な戦略策定が可能となるでしょう。

ロジックツリーの作成には、無料ツールが多くリリースされているので、ぜひ試してみてください。

代表的な無料ツール:Xmind
(※上記のXmindは、これから解説するDMUマップ・ピラミッドストラクチャーを設計する際にも活用できます。)

DMUマップ

DMUマップは、BtoBの営業プロセスで購入活動に関与する者たちの役割と関係性を整理するツールです。

これは、ユーザー(実際の使用者)、ディサイダー(最終的な決定者)、インフルエンサー(意見や提案で影響を与える関与者)、バイヤー(購入の実務を担当する者)、チェッカー(契約や内容を確認する者)、そしてイニシエーター(起案者)の6つのタイプから成り立っています。

例を挙げると、新しいオフィス機器の導入を考えた場合、イニシエーターは組織内で課題を発見し、新しい機器の導入を提案する役割の人物です。
ユーザーはその機器を実際に使用し、インフルエンサーは技術的な観点からの意見や要望を出します。
ディサイダーは最終的な購入の是非を決定し、バイヤーは購入手続きを進めます。最後に、チェッカーが契約の内容や機器の仕様を確認します。

DMUマップの参考画像
  1. イニシエーター (起案者):
    • 役職: 一般社員、部署のリーダー、業務担当者
    • 説明: 日常業務の中で課題を実感し、機器やソリューションの導入を最初に提案する人。
  2. ユーザー (使用者):
    • 役職: 事務員、オペレーション担当者、一般社員
    • 説明: 新しい機器を日常的に使用する人。機器の利便性や機能に最も詳しい。
  3. インフルエンサー (関与者):
    • 役職: IT部門のスタッフ、技術者、システム管理者
    • 説明: 技術的視点からの意見や要望を持つ人。機器の互換性やセキュリティに関する知識がある。
  4. ディサイダー (決定者):
    • 役職: 営業部長、部門長、経営層、事業部長
    • 説明: 購入の最終的な判断を下す人。予算や投資対効果を考慮する。
  5. バイヤー (購買者):
    • 役職: 購買部の担当者、経理部門の担当者
    • 説明: 実際の購入手続きや業者との交渉を担当する人。
  6. チェッカー (確認者):
    • 役職: 法務部の担当者、コンプライアンス部門、品質管理部門の担当者
    • 説明: 契約の内容や機器の仕様、法律や規定の遵守を確認する人。

これらの役割を把握し、DMUマップにマッピングすることで、効果的な営業戦略やコミュニケーション方法を策定する手助けとなります。

ピラミッドストラクチャー

ラミッドストラクチャーは、情報を階層的に整理するための方法です。

最上部に主要なポイントや結論を置き、その下に具体的な根拠や詳細を段階的に展開していきます。

具体的な例を以下に示します。

結論(頂点):新しい健康ジュースは、オフィスワーカーを主なターゲットとする。

結論の根拠1(2段目):オフィスワーカーは健康志向が高まっている。
結論の根拠2(2段目):オフィスでの手軽な健康ケア商品に需要がある。
結論の根拠3(2段目):このターゲットは購買力が高い。

結論の根拠1の詳細1(3段目):健康情報のSNSシェアが、オフィスワーカー間で増加中。
結論の根拠1の詳細2(3段目):運動不足を感じているオフィスワーカーが多い。

結論の根拠2の詳細1(3段目):デスクワーク中も摂取できる商品が人気。
結論の根拠2の詳細2(3段目):オフィス内での健康グッズの販売が増加中。

結論の根拠3の詳細1(3段目):月平均の余裕資金が一定以上のオフィスワーカーが多い。
結論の根拠3の詳細2(3段目):健康に対する投資意識が高い。

上記を分かりやすくビジュアル化したピラミッドストラクチャーが下記の画像です。

ピラミッドストラクチャーの参考図

このように、ピラミッドストラクチャーを利用することで、情報を効果的に整理し、論点の深堀りを行いながら、結論に至る理由を明確に提示することができます。

法人営業でフレームワークを活用するときの注意点

法人営業を行う際に、フレームワークを活用することは非常に効果的ですが、適切な使い方をしなければ意味がありません。

フレームワークは、複雑な問題や課題を構造的に整理し、明確な方向性を持たせるための道具のひとつです。

ここからは、フレームワークを活用する際の注意点について解説していきます。

目的に合致した適切なフレームワークの選択

法人営業の過程で様々なフレームワークが役立ちますが、目的や状況に応じて適切なものを選択することが成功の鍵です。

例えば、営業戦略の策定の際には、SWOT分析やPEST分析が有効です。

一方、顧客とのコミュニケーションを深化させるためには、DMUマップやピラミッドストラクチャーが役立ちます。

そして、情報整理の段階では、ロジックツリーを用いることで、クリアな思考を形にすることができます。

適切なフレームワークを用いることで、効率的かつ効果的な営業活動を実現することが可能です。
しかし、それぞれのフレームワークが持つ特性や適用シーンを理解し、状況に応じた活用を心掛けることが大切です。

フレームワークを過信しすぎない

フレームワークは営業の指針や助けとなるツールの一つですが、過信することは危険です。

例として、SWOT分析を挙げましょう。

このフレームワークは、企業の強みや弱みを整理するのに有効ですが、市場や環境の変動によって、分析の結果が変わることも考えられます。

また、ロジックツリーを利用した際、思考の幅を狭めてしまうことも。

フレームワークはあくまで参考の一つであり、常に柔軟な思考と、現場の実態に合わせた適応が求められます。
それぞれのツールの特性や限界を理解し、盲目的に依存せず、現実のニーズに合わせて適切に活用することが大切です。

継続的に見直す

フレームワークの導入は初めの一歩に過ぎません。ビジネス環境や組織のニーズは時とともに変わるもの。

今有効だった戦略や方法も、時間が経つとその効果が薄れることも考えられます。

また、市場の動向や新たな技術の登場により、新しいフレームワークの必要性が生まれることも。

そのため、定期的に選択したフレームワークの適切性を確認し、必要に応じて見直す姿勢が不可欠です。

時には外部の専門家の意見を取り入れることで、新しい視点や知見を得ることができるでしょう。

フレームワークを活用して法人営業の売り上げをアップさせましょう

法人営業では、多くの企業やクライアントとのやりとりが求められます。その中で、効果的な提案や戦略の策定が重要となります。

フレームワークを活用することで、複雑な情報を整理し、明確な方向性を持たせることができます。

継続的な成果を上げるためにも、適切なフレームワークを活用して、法人営業の売り上げをアップさせましょう。

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