成功する法人営業マンに共通するのは、新規顧客を効率よく開拓できるスキルです。
しかし、新規開拓は容易なものではありません。
様々なアプローチ方法がある中で、どれが最も効果的なのかを知ることが、一流の営業マンとその他を分ける要素とも言えます。
この記事では、新規開拓で成功を収めるための11の方法と4つのステップ、さらには失敗を避けるためのコツを詳しく解説します。
あなたが一流の法人営業マンになるための「鉄則」を、ぜひこの記事で探してみてください。
法人営業マンが新規開拓する方法11選
新規顧客を開拓する過程は、多くの場合、高いストレスや困難を伴います。
しかし、これをうまく乗り越えるためには、具体的な手法と確かなスキルが必要です。
以下では、法人営業でよく用いられる11の方法を紹介し、それぞれのメリット、デメリット、そしてポイントを解説します。
- 電話営業(テレアポ)
- 訪問営業(飛び込み)
- メール営業
- SNS・オンラインマーケティング
- ポスティング・DM送付
- 展示会・セミナー開催
- ビジネス交流会への参加
- 業界レポート・ホワイトペーパーの作成
- 既存顧客からの紹介
- ケーススタディ・成功事例の公開
- ビジネスマッチングサイトへの登録
①:電話営業(テレアポ)
電話営業は、特にアポイントメントの確保に威力を発揮します。
まずは短い時間で概要を説明し、相手の興味を引くことが大切です。
その後で具体的な商談の日程を設定できるのがメリットです。
しかし、相手が忙しい場合や不快に思う可能性もあるので、短くて簡潔、かつ礼儀正しく話すことが重要になります。
【メリット】
- 短時間で多くの企業にアプローチ可能
- 顔を合わせずに商談の可能性を探ることができる
【デメリット】
- 相手が忙しい場合、話を聞いてもらえない可能性がある
- 不快に思わせるリスクがある
【ポイント】
- 事前に会社の基本情報と、何を提案するかのスクリプトを用意する
- 高圧的な態度は避け、相手の都合も考慮しながら話を進める
参考:法人営業のテレアポを成功させる5つのコツ【営業歴10年の実践マニュアル】
②:訪問営業(飛び込み)
訪問営業、一般に「飛び込み」とも呼ばれますが、これは非常に効果的なアプローチ方法です。
しかし、効果を最大限に引き出すためには、計画と準備が必須です。
例えば、事前に訪問先の業種や利用しているサービス、競合他社との関係などを調査しておくと、現場での営業がスムーズに行えます。
【メリット】
- 直接会って商談するため、より深い信頼関係を築くことができる
- 細かな質問にもすぐに答えられ、説得力が高まる
【デメリット】
- 時間と労力がかかる
- 事前に十分なリサーチと準備が必要
【ポイント】
- 訪問前に事業内容、競合情報、接触する部署や担当者の情報を把握しておく
- 名刺交換後、すぐに感謝のメールや後日のフォローアップを計画する
③:メール営業
メール営業は、特に初対面の相手に対しても手軽に接触できる手段です。
ただし、スパムメールと誤解される危険もありますから、独自のテクニックと工夫が求められます。
例えば、タイトルは短くて興味を引くものにし、本文は具体的な提案や価値をしっかりと示す内容にすると良いでしょう。
【メリット】
- 複数の顧客に一斉に接触することが可能
- コストが低く、時間も効率的に使える
【デメリット】
- 相手に開封されないリスクが高い
- スパムとされる危険性がある
【ポイント】
- 件名を工夫し、相手の関心を引く
- フォローアップメールも計画的に送る
参考:【法人営業】新規開拓を成功させる営業メールのコツ・例文【コピペ可能】
④:SNS・オンラインマーケティング
SNSやオンラインマーケティングは、今や多くの企業が活用している手法です。
特に、ターゲットとする顧客層が若い場合やテクノロジー関連の企業では非常に効果的です。
ブランドを知ってもらう機会が増え、自社の商品やサービスに興味を持ってもらいやすくなります。
【メリット】
- 多くの人々に対して情報を発信できる
- 目的に応じて多様なプラットフォームが選べる
【デメリット】
- 結果が出るまでに時間がかかる場合もある
- 戦略を誤ると効果が出にくい
【ポイント】
- 目標客層に合わせたプラットフォームを選ぶ
- コンテンツは質と量、どちらも考慮して投稿する
⑤:ポスティング・DM送付
ポスティングやDM送付は、特に地域密着型のビジネスに有効な手法です。
これにより、特定のエリアやターゲットに対してダイレクトに訴求することができます。
ただし、無駄なく効果を出すためには、しっかりとしたリサーチと計画が必要です。
【メリット】
- 地域に密着したアプローチが可能
- 短期間で広告効果を見ることができる
【デメリット】
- コストがかかる場合がある
- ただ送るだけでは効果は乏しい
【ポイント】
- 地域や顧客特性に合わせたメッセージ作りをする
- フォローアップの仕組みを設ける
⑥:展示会・セミナー開催
展示会やセミナーの開催は、顧客に製品やサービスの実際の価値を体験してもらい、直接対話する機会を持つことができる方法です。
ここでのアプローチは、実際に製品を手にとってもらうことで理解を深めてもらったり、専門的な知識を伝えることで信頼を築くことができます。
【メリット】
- 顧客との直接対話が可能
- フィードバックをすぐに受け取れる
【デメリット】
- 開催にコストがかかる
- 事前の準備やプロモーションが重要
【ポイント】
- ターゲットとなる顧客層を明確にする
- イベント後のフォローアップを計画的に行う
⑦:ビジネス交流会への参加
ビジネス交流会は、多様な業界の人々との接触ができる場です。
参加することで、新しいビジネスのアイディアやパートナーシップのチャンスを得ることができます。また、自社のサービスや製品を紹介する良い機会ともなるでしょう。
【メリット】
- 多様な業界の人々とのネットワーク形成が可能
- 自社のPRの場として活用できる
【デメリット】
- 効果的な関係構築には時間がかかることもある
- 無駄な時間を過ごすリスクがある
【ポイント】
- 名刺交換後のフォローアップを怠らない
- 事前に参加者リストをチェックし、ターゲットを絞る
⑧:業界レポート・ホワイトペーパーの作成
業界レポートやホワイトペーパーは、自社の専門的な知識や独自の視点を共有することで、業界内での認知度や信頼を高めるための手法です。これらの資料を作成・公開することで、業界のトレンドや分析、独自の提案などを広く発信できます。
【メリット】
- 企業のブランドや信頼性を向上させる
- 新しい顧客や取引先との接触のきっかけを作る
【デメリット】
- 質の高い内容の作成には時間と労力がかかる
- 更新や継続的な情報提供が求められる
【ポイント】
- ターゲットとなる読者層を明確にし、そのニーズに応える内容を提供する
- 定期的な更新や新しい情報の提供を続ける
⑨:既存顧客からの紹介
既存の顧客からの紹介は、新規顧客を獲得する最も効果的な手段の一つと言われています。
紹介を受けた顧客は、紹介してくれた既存の顧客に対する信頼が背景にあるため、取引の開始までのステップがスムーズに進むことが多いのです。
【メリット】
- 高い信頼性を持ったリードの獲得
- コンバージョン率の向上
【デメリット】
- 紹介を依頼するタイミングや方法を誤ると顧客との関係に影響
【ポイント】
- 顧客との良好な関係を維持する
- 紹介に対するインセンティブを提供することを検討する
⑩:ケーススタディ・成功事例の公開
ケーススタディや成功事例を公開することで、具体的な成果や解決策を提示し、新しい顧客に対する信頼を築くことができます。
これらの情報は、見込み客が自社のサービスや製品を評価する際の大きな判断材料となるため、十分な効果が期待できます。
【メリット】
- 実績の具体的なアピールが可能
- 見込み客の判断材料を提供
【デメリット】
- 成功事例を選び、詳細な情報を整理する労力が必要
【ポイント】
- 事例の選定時に、ターゲットとする顧客層のニーズを考慮する
- 実際の数字やデータを併せて提供する
⑪:ビジネスマッチングサイトへの登録
近年、ビジネスマッチングサイトの利用が増えてきています。これらのサイトに登録することで、自社のサービスや製品を広くPRし、新しい取引先やビジネスチャンスを獲得することができます。
【メリット】
- 広範囲の業界や企業とのマッチングが可能
- 無料で登録できるサイトも多い
【デメリット】
- 適切なマッチングのための情報更新が定期的に必要
- サイトによっては品質のばらつきが存在
【ポイント】
- 自社の強みや独自性をしっかりとPRする
- 定期的な情報の更新を忘れないようにする
法人営業マンが新規開拓を成功させる4つのステップ
新規の顧客を開拓するためには、戦略的なアプローチが必要です。
法人営業マンとして、どの業界や企業に注力すべきか、どんな顧客像を持つ企業に接触すれば効果的かを理解することが大切です。ここでは、新規開拓を成功に導くための4つのステップを詳しく解説します。
これらのステップを踏むことで、効率的に高品質なリードを獲得するための方法を身につけることができるでしょう。
- 業界調査
- ペルソナ設定
- 営業リストの作成
- アプローチ方法の選定・実施
STEP①:業界調査
業界調査は新規開拓の第一歩として非常に重要です。
まずは、自社のサービスや製品が求められている業界を特定します。各業界のトレンド、市場規模、競合状況をしっかりと分析することで、どの企業や業界が今後の成長が期待できるかを把握することができるでしょう。
また、業界のニュースやレポートを積極的にチェックすることで、新たなビジネスチャンスや提携先を発見するヒントを得られます。この段階での情報収集と分析が、後の営業活動の成功を左右する鍵となるのです。
STEP②:ペルソナ設定
ペルソナ設定は、具体的なターゲット顧客を明確にするステップです。
ペルソナとは、理想的な顧客像を具体的なキャラクターとして設定することを指します。例えば、「A社の中堅マネージャーで、業務効率化を求めている35歳の〇〇さん」といった具体的な像を作ります。
このペルソナを設定することで、どんな課題やニーズを持つ顧客にアプローチするかが明確になり、メッセージの内容や提案のアプローチ方法を絞り込む際にも役立ちます。
また、ペルソナに基づいてコンテンツや情報を提供することで、顧客とのコミュニケーションがより深化し、信頼関係を築くことが容易となるでしょう。
STEP③:営業リストの作成
営業リストの作成は、具体的なアプローチ先を明確にする大切なステップとなります。
ペルソナ設定で把握したターゲット顧客をもとに、アプローチ先の企業や担当者のリストを作り上げます。この時、業界調査で収集した情報を活用して、市場の動向や競合の状況をもとに、アプローチの優先順位も設定しましょう。
営業リストの作成には、業界専門のデータベースやビジネス情報サービス、公的な統計データなどをフルに活用すると効率的です。
また、担当者の役職や連絡先、過去の取引履歴や関連ニュースなど、具体的な情報もリスト化することで、アプローチの際の信頼感や説得力を上げることができます。
参考:法人営業のリストを作成するコツ【無料おすすめツールも紹介】
STEP④:アプローチ方法の選定・実施
新規開拓を行う際、最も重要となるのが具体的なアプローチ方法の選定とその実施です。営業リストをもとに、ターゲットとなる顧客にどのように接触するか、どんな提案を行うかを考えます。
アプローチ方法は企業や商品、ターゲットの特性によって変わります。例えば、電話営業やメール営業は、スピーディーな反応を得やすい一方で、担当者との信頼関係構築には時間がかかることがあります。訪問営業や展示会参加などの直接的なアプローチは、顔を合わせることで信頼関係を築きやすい反面、時間やコストがかかる場合があります。
また、デジタル時代の今、SNSやオンラインマーケティングを活用したアプローチも有効です。特に若い世代やIT業界など、デジタルに強いターゲットへのアプローチには、これらの手段が適しています。
最後に、どのアプローチ方法を選んだとしても、常に顧客のニーズを最優先に考え、提案の質を高める努力を怠らないようにしましょう。
参考:法人営業におけるクロージングとは?【基本から応用まで解説】
顧客の新規開拓に失敗しないコツ
新規の顧客を開拓する過程は、営業の中でも非常にチャレンジングな部分と言えるでしょう。
新しい市場や顧客層へのアプローチは、多くの不確実性や予測不能な反応に直面する可能性が高いからです。
しかし、そんな難しさを乗り越えるための秘訣やコツも実は存在します。これから、新規開拓を成功させるために絶対に知っておきたい、その具体的なポイントや実践方法について詳しくご紹介いたします。
これらのポイントを活用することで、新規開拓の成功率を高め、持続的な成長を実現するための土壌をしっかりと築くことができるでしょう。
自社製品と競合製品について理解を深める
新規の顧客を開拓する際、最も重要な要素の一つは、自社の製品やサービスの強み、そして競合製品の特性についての深い理解です。これにより、顧客に対して自社製品のメリットを明確に伝えることができます。また、競合との比較においても、差別化ポイントや付加価値を的確にアピールできるでしょう。
まず、自社製品の特性、機能、価格などを徹底的に理解しなければいけません。そして、同業界の競合製品やサービスを分析し、それらとの違いや強みを明確に捉えることが重要です。実際に競合製品を使用してみる、またはフィードバックを収集して、顧客の実際の声を知ることも有効な手段になります。
このような準備を行うことで、営業時に顧客からの質問や懸念に迅速に対応でき、信頼関係を築きやすくなるでしょう。
PDCAサイクルを徹底する
新規開拓の成功の鍵は、絶えず営業活動を見直し、改善することにあります。このためには、PDCAサイクル(Plan・Do・Check・Act)を徹底的に活用することが効果的です。
まず、「Plan(計画)」で目標を設定し、アプローチの方法を計画します。次に、「Do(実行)」で計画したアプローチを実施します。この際、各アクションの結果を正確に記録しておくことが大切です。
その後、「Check(確認)」で結果を分析し、成功要因や課題を明確にします。そして「Act(改善)」で、課題を改善するための新たなアプローチや手法を計画します。
このPDCAサイクルを繰り返すことで、営業活動の質が向上し、新規開拓の成功率も上がるでしょう。絶えず自身の活動を反省し、改善に取り組む姿勢が求められます。
CRM・SFAを活用する
現代の営業活動には、デジタルツールの活用が欠かせません。CRM(Customer Relationship Management)やSFA(Sales Force Automation)は、法人営業マンの大切な味方となるツールの一つです。
CRMは顧客との関係を管理・最適化するシステムです。顧客情報の一元管理、過去の商談履歴や購入履歴、アフターフォローまでを一貫して管理することができます。これにより、顧客ごとのパーソナライズされたアプローチが可能となり、効果的な営業活動を実現できます。
SFAは、営業活動を効率化するためのツールです。日常のルーチンワークを自動化することで、営業マンの負担を軽減し、より多くの時間を実際の営業活動に注ぐことができます。
これらのツールを活用することで、情報の正確性を保ちながら効率的な営業活動を進めることが可能となります。特に新規開拓時には、これらのデジタルツールが持つ情報の豊富さと迅速な分析機能を最大限に生かすことで、成功への道を切り開くでしょう。
参考:法人営業に役立つフレームワーク15選【利用シーン・目的別に紹介】
まとめ:適切なアプローチで新規開拓営業を成功させましょう
新規の顧客を開拓するための営業活動は、企業の成長を牽引する重要な部分として捉えられています。ただし、そのためには適切なアプローチが求められます。
単に商品やサービスを売り込むだけではなく、顧客の課題やニーズに合わせた提案が必要となるのです。
また、既存の顧客との関係を深化させることで、新たなビジネスチャンスを探ることも可能なります。
これらの活動は、絶えず市場の動向を見極め、柔軟に対応することが重要です。今回のセクションで紹介した方法やツールを駆使し、新規開拓営業の成功へとつなげるステップを踏み出しましょう。